人力車車夫の悲劇
中国には荷台付自転車を改造した人力車が走っています。車夫はそのほとんどが地方から出てきた出稼ぎ労働者で、観光地で観光客相手に運営されているもの以外はほぼすべて違法操業です。
非常に大変な仕事ではありますが、それでも田舎で農民するより儲かるのでしょう。老若男女にかかわらず、夏は猛暑の下、冬は寒風の中、ケータイ片手におしゃべりしながら客車に乗る着飾った若い女性を目的地まで運ぶため、必死に自転車をこいでいます。「階級社会」中国を象徴する風景と言っていいでしょう。
ここで紹介するのはそんな人力車車夫の物語です。
ある人力車が30過ぎの女性の白いズボンを掠めて、汚してしまったのですが、この女、いかにも中国人女性らしく、人力車をこいでいた40過ぎの男を大声で罵り始めます。
そのうち車でやってきた30過ぎの男が人波を掻き分け押し入り、有無を言わさず車夫に暴行を加え始めます。女の方も引き続き罵り続け、それを人波が何重にも取りかこん見物していたそうです。いかにも中国らしい風景です。助けろって。
車夫に弁償を迫る二人に対して、殴られて顔を腫らした車夫はひたすら謝り続けます。車夫に弁償させることが難しいと見た二人は、車夫に手持ちの金を出させます。
寒風の中、車夫が震えながら体中をポケットをひっくり返して出した金はたった20元でした。
男は車夫から金をひったくり、女に渡します。そしてこう言い放ちます。「破り捨てろ。」
女もためらうことなく、車夫の目の前に札を掲げて、一枚、また一枚と破り捨てていきます。
すべて破り終わった後、この二人は去っていきました。
呆然として破り捨てられた札を眺める車夫。周りの観衆からはため息が漏れます。だから助けろって。
この物語は現代中国のある一面と中国人の性質をよく表しています。
社会的階層の底辺に位置する出稼ぎ労働者ときれいに着飾り、車を乗り回す、上位階級にある都市住民。自分より弱い者にはどこまでも傲慢、懐が豊かになっても心が豊かになれない成金たち。そして助けの手を差し伸べることをしない傍観者たち……
参照元(中国語):
http://news.163.com/05/1113/03/22DL5U9G0001122B.html